冬桜 −二度咲くモノ-

「えっ?」

とその声の方を向くと、聖だった。


他の人はさっきの佐伯さんの話しで盛り上がっている中、聖は真っ直ぐに私の瞳を見つめながら問い掛けている。


「悲しそうですか?そんなことありませんよ。とっても楽しいですよ。佐伯さんの話しを伺って感動してました。」

と笑顔で応えた。


この笑顔で騙されない男はいない。