ボーっと窓を眺めていた時、

「・・・・ちゃん」

と声が聞こえた。


ビックリしていると、もう一度、今度ははっきりと

「沙羅ちゃん」

と呼ぶ声が聞こえた。


ハッとして振り返った。


だって、私をこう呼ぶのはこの世でただ一人。

鈴菜だけだから。