冬桜 −二度咲くモノ-

私は自分で思っていたより口下手らしい。


仕事の時はあんなにスラスラ言葉が出てくるのに。


それ以上、何も言えなかった。


ただただ、止まらない涙が流れる時間だけが過ぎていった。


気がつけば、もう夜が更けていた。


そっと、鈴菜の部屋を出てあてもなく歩いた。


出口の見えないこの道に、ほんの少しでも何かが見つからないかを探しながら。