冬桜 −二度咲くモノ-

「実は私、以前に結婚を決めていた彼がいたんです。

その彼は運転中に、急に車が飛び込んできて事故に合い亡くなってしまいました。
その時、私は全身打撲だけでね。彼が命がけで私を守ってくれたと思っています。

プロポーズを受けた時に『一生、愛し続ける』って約束してくれた彼は、本当にその言葉の通り、私を最期の瞬間まで愛し続けてくれました。」

当時を思い出したのか、花嫁には似つかわしくない、切ない表情をしている。


「その彼が亡くなくなった後、本当に辛くて辛くて生きることを止めてしまおうかって思ったことも正直ありました。
でも、今日も来てくれているたくさんの人たちに支えられて今の私がいます。」

と、笑顔になった。

よかった。

このまま泣いてしまうんじゃないかと、気が気じゃなかったわよ。

でも、次の加奈子さんの言葉に衝撃を受けた。


「和馬くんのことも大切だし愛してるんですが、実は私、亡くなった彼のことも愛しています。」


「えっ！？それって・・・・どういう・・・？」

それはないでしょう、加奈子さん。


あんないい人だましてんの？それとも２番目ってこと？