冬桜 −二度咲くモノ-

「ね、蘭さん。
『使命』って言葉あるでしょ?

あれってすごい言葉だと僕は思うんだ。

使命って『命を使う』って書くでしょ?

どんなことに一生懸命になるか、必死になれるか。

みんなに本当は、必死になれるその人その人の使命ってあるんじゃないかって。

人はいつか死ぬでしょ?

僕は比較的『死』というものが身近だったから、いろいろと考えたんだと思うんですが、何年間が寿命かなんて、誰も知らない。

僕はおじいちゃんまでは生きられないかもしれないけど、命を使っていけるものに出会えたことが、本当に幸せなんです。

僕の生きた証というか。

生きていることを一生懸命に頑張ろうって思ったんです。

それが僕の寿命だって。」


ちゃんと伝わったかが心配なのか、私の顔をじっと見ている。


普段、あんなにしゃべられない聖が、こんなにも雄弁に熱く話している。