「おい、あゆみ。帰るぞ……って、まだ掃除終わってねぇのかよ」


そう言いながら教室に入ってきたのは、あゆみのお兄さんの袴田先輩。


その彼女の結子さんもいる。


「お兄ちゃーん！掃除手伝ってぇ」


猫なで声で、袴田先輩に駆け寄るあゆみ。


「出たよ出たよ、ブラコン・シスコンコンビが……」


「おい留美子、聞こえてるぜ。仕方ねぇなぁ……皆でやれば早く終わるか。なあ、高広」


廊下の方を向いて、そう言った袴田先輩。


「なんだよ……俺まで手伝うのかよ」


「良いじゃない。手伝ってあげようよ」


頭をボリボリかきながら教室に入ってきたのは、伊勢先輩とその彼女の明日香さん。


「結子さんはセクシーだし、明日香さんは優しいし……私ももうちょっと胸があればなぁ……」


ふたりを見て、自分の胸に手を当てる留美子。


「あまり気にしなくていいんじゃない？留美子は美人なんだしさ」


「だったらなんで私に彼氏がいないのか、分かりやすく説明してよ！」