「赤い人」を閉じ込める物がなくなった世界で……「赤い人」は何をするの?


もう、考えても遅いし意味がない。


そう思った瞬間、私の中に流れ込んでくるいろんな記憶。


美子と美紀が母親に服をプレゼントしてもらった時の映像や、暗い場所で美子がバラバラにされる現場。


そして、ふたりの父親が、小さな木の箱を持って小野山邸の玄関前を横切っている姿。


これは……何?


美子と美紀が生きていた頃の記憶なの?


あの木の箱に入っていたのは……美子みたいだった。


もしかして、「呪い」を解く方法を、私は間違えていたの?


美紀を消滅させるんじゃなくて、美子を消滅させるべきだった。


でも……もう遅い。


最後の最後で、私は大きなミスをしたんだ。


そんな事を考えている間にも、次々と展開される記憶。


私や留美子、明日香や高広も楽しそうにしていて……。


見た事もない、ひとりの女の子がパッと現れた時、その女の子は袴田の腕をつかんで、消えていったのだ。














「見つけた……」