でも、手を動かしてもヒビは固定されているように動かない。


これは、空間に亀裂が走ってるんだ。


「美雪!これでいいの!?なんか変だよ!?」


慌てた様子で留美子がたずねるけれど、私にだって分かるはずがない。


「この空間が崩れかかってるんだよ、きっと……」


このまま行けば、完全に崩壊させる事ができるかもしれない。


そう思っていた時。













「あああああああああああああああああああああああっ!!」











その咆哮と共に、美紀を押さえつけていた3人が弾き飛ばされたのだ。


そして、フワリと宙に浮かぶ美紀。


「ってぇ……おい、相島ぁ!どうなってんだこれは!?『呪い』が解けるんじゃねぇのかよ!!」


そんな事を言われても……間違いなくこの空間が崩れそうだったのに。


気付けば美紀は、どうする事もできないくらい高い位置から、私達を見下ろしていた。


「美紀ちゃんをだましたんだね?悪い子にはお仕置きが必要なんだよ。美子ちゃん!!」


宙に浮かぶ美紀が、美子に指示を出す。


その言葉に、ブルブルと美子の身体が震え始める。