この「呪い」は、人の心をもてあそぶ悲しい「呪い」。


でも、美子が教えてくれた。


美紀の「呪い」を解く事ができる可能性を。


それを実行できるのは……私だけだと言われたら、私がやるしかない。


「な、なあ……美雪。探すカラダも、後ひとつだよな」


「え?あ、うん。そうだね」


考えている事を声に出さないように、手で口を押さえていたから、私が考えていた事を聞かれたわけじゃない。


「もしもさ、『呪い』が解けても、俺達が変わらなかったら……その……」


なんだか、いつもと違ってモジモジしている翔太。


何かあったのかな?


次にどんな言葉を口に出すのか、私はそれを待った。


だけど、翔太がそう言ってから数分。


何も言わないまま歩き続けていた私は、こちらから話しかける事にした。


「そうそう、翔太。結子はやっぱり袴田とつながってたよ。まあ、後ひとつなら、それももう関係ないかな?」


「え?あ、ああ……そうか。でも、後一つって言ってもな……もう調べる場所なんて残ってないぞ?」


「じゃあ、旧校舎にあるのかな……もう、残りはそこしかないよね?」