私の昔からの友達……森崎明日香。







でも、なんだか違和感がある。


あれ? 伊勢が探してたのって、明日香じゃなかったっけ?


その違和感が何か分からないまま、私は学校に向かった。








「おはよう」


「あ、おはよう」


校門付近で合流した生徒達が、あいさつを交わしている中、私は玄関へと歩いていた。


皆、楽しそうな表情で、この学校生活を送っているんだろうな。


私に声をかけてくれる人なんていないし、声をかけたところで、誰もあいさつを返してくれないから。


トボトボと、道の端を歩いていた時にそれは起こった。


ポンッと、私の頭に軽い衝撃が走ったのだ。


慌てて振り返った私の目に映ったのは、不機嫌そうに私の頭に手を置き、立っている伊勢の姿だった。


「おいおい、昨日『カラダ探し』の事を教えてやるって言っただろ? なんでメール、よこさねぇんだよ」


怒っているのか、いつも通りなのか、にらんでいるような眼差しを私に向けている。


「ご、ごめん……なんて返信したらいいか分からなくて……友達とメールした事ないから」


と、友達って言っちゃった!


「友達じゃねぇだろ?」とか言われたらどうしよう……。


きっと、今の私の顔は、真っ赤になっているに違いない。


今すぐここから逃げ出したい!


「なんだよ、お前、俺の他に友達がいねぇのかよ?」


……今、伊勢は友達って言ってくれたの?


なんだかうれしいな。