『カラダを見つけたけど、棺桶に納める事ができなかった。ごめん』


伊勢が悲しむかもしれない。


そう思うと、当たりさわりのない、そんな言葉しか送る事ができなかった。


あのメールを送った後、伊勢からの返信はなかった。


本当の事は言えなかったけれど、カラダを棺桶に納められなかったという事でも、きっと怒っているのかな?


「カラダ探し」の時の伊勢は、すごく真剣だから。


それくらい、明日香の事が好きなんだね……。


私は伊勢の期待を裏切ってしまったんだ。


そう考えると、すごく辛くて、悲しくて。


ベッドから脚を下ろし、ゆっくりと起き上がった後に、自己嫌悪に陥り、頭を抱えた。


明日香のカラダが全部そろわなかったら、私のせいだ。


また溢れ出す涙を拭い、ため息を吐いた時だった。


私の体を優しく包み込むように、温かな物に抱き締められる感覚。


目から手を離し、それを確認すると……うちの学校の制服を着た誰かの姿。


心が安らぐような、良い匂いがする。