「それでは、発車致します。しっかりお捕まりください。」 ピーットゥルルル アナウンスと同時に発車を知らせるベルが鳴り響く。 ガタン 金属がぶつかり合う音が、動いていることを感じさせる。 後ろに傾き、登っていくコースター。 「来るよ!」 私の前に乗っている絢が叫ぶ。 「「キャアーッ!!」」 本当は危ないからダメなんだけど…… 両手を上にあげて叫びながら、一気に下る。 通り過ぎる風が気持ちいい。