「はい、春樹っ」 「ありがとう、絢」 「玲奈の分」 「ありがとっ」 春樹も私も絢からフリーパスを受け取る。 「はい、これ夢徠の」 さっきからの笑顔のままで夢徠にも手渡す。 「ありがと」 「「あ、喋った…………」」 春樹と声がかぶる。 それだけ、私以外の人と夢徠が話すのは珍しいってこと。