トントン とリズムを刻みながら、材料を切っていく。 プルルルル~♪ 電話だ。 今は重要な卵だから、離れられないし…… 「夢徠、ちょっと出てきて?今、手離せないから」 「俺も離れたくない」 ……っ そんなっ…… 今言わないでよ。 もう、電話きれちゃうよー。 「後でずっと抱きついてていいから、行ってきて?」 「本当に?」 「うんっ」 「覚悟しててね?」 私の耳元でそう囁いて、夢徠は電話を取りに行った。