あれから30分くらいして、私のお母さんが帰ってきた。 「じゃ、また明日。」 「バイバイ。」 玄関まで夢徠を送って、リビングへと戻る。 夢徠が私の家にいるのは、お母さんかお父さんが誰もいない時だけ。 だから、どちらかが帰ってくると、毎日こうやって、入れ違いに帰っていく。 「ん、これ美味しいじゃない。」 戻ってみると、お母さんが私が作った肉じゃがを食べていた。 「良かったっ。」 「これ、夢徠くんに食べてもらうために作ったんでしょ?」