「じゃ、帰ろ?」 そう言って俺は玲奈に手を伸ばす。 「う、うん。」 顔を真っ赤に染めて下を向く玲奈。 「可愛いっ。」 「え?」 「いや…………。」 つい言葉に出てしまった。 手を繋ぐ。 だからと言って、付き合っている訳じゃない。 これは小さい頃からの習慣。 2人で歩くときはいつも手をつなぐ。 だから、俺らにとっては、そんな特別なことじゃない。 ただ、俺にとっては玲奈に触れられることは幸せだけど。 こうやって、いちいち可愛い反応をしてくれるから。