そこは、あの日、玲奈が迷子になった日。 泣き止まない玲奈を連れてきた場所。 大きな木が一本、堂々と立っている公園。 「……いた」 玲奈は、蹲るようにして座りながら、大きな木の下で雨をしのいでいた。 どうしても、俺の足は前に進まない。 今も俺には玲奈に話しかける資格なんてない。