「おい、早く捜さねーとやばくねーか?遠くに行かれたら見つかんねーぞ?」 「夢徠も捜しなさいよ!」 絢と春樹は、その場に立ち尽くす俺を置いて走って行ってしまった。 その姿が、さっきの玲奈に重なる。 その瞬間、あの日と同じ、土砂降りの雨が降り出してきた。 本当、何してんだよ俺………… 心当たりがあるのは、あそこしかない。 方向音痴の玲奈がたどり着いているかはわかんないけど。 俺はまっすぐそこへ向かう。