「あ、夢徠!」 遠くから機嫌の良さそうな春樹の声が聞こえる。 隣には、春樹にべったりとくっついている絢もいる。 今の俺はそんな気分じゃねーよ。 「ねぇ、ちょっと!玲奈はどうしたのよ!!」 玲奈の姿が見えないことに気が付いた絢は焦ったように聞いてくる。 「いなくなったとか言わねーよな?」 いなくなったんじゃねー。 いや、俺のとこからはいなくなっちまったのかな。 「観覧車降りた瞬間、どっかに走って行っちまったよ………」 「「はぁ??」」