「やめて。もう、良いから。もう………………」 これほど観覧車が速く回って欲しいと思ったことはない。 下に降りてすぐ、私は走って、夢徠をおいて遊園地を出た。 もう、居られなかった。 夢徠の隣に。 すぐにでも逃げたかった。 走っているせいで、溢れ出す涙が横に流れていく。 もう、どこまで来たかわからなくて………… 自分がどこにいるのかわからなくなって……………… 立ち止まった瞬間、 待っていたかのように土砂降りの雨が降り始めた。