「春輝どーしたんかなー?」

「お前ほんとに心配してんのか?
んな笑顔でよ」

「んー?そりゃあ心配してるよ!
ただ、昨日女の子と遊んできただけー。
あ、蓮は女の子そんな好きじゃないからダメかな、この話」

まるで“♪”がつきそうなほどに楽しそうに話す飛鳥。

そういやぁ、こいつ女好きだったな。

春輝と出会ってからはそんなに女と遊んでねぇみたいだったが…。

俺は女なんて好きじゃねぇし、だから飛鳥の奴のことは理解できねぇ。

だが、俺を含め、幹部の奴らは飛鳥に何も言わない。

俺らだけじゃねぇ。

族に入ってる奴の場合は大抵──

「…俺、いつになったら抜け出せんのかな……」

過去に闇抱えてるからな。

飛鳥は女と遊んだあと、笑っていても瞳が冷めている。

それは、過去を思い出してるからなんだと思う。

蓮はまぁあれだ。例外っていうか、喧嘩自体があいつの過去だからな。

闇ってほどじゃあねぇがな。

族に入ったのは自然なことなのかもしれねぇ。