言われてふと雷の手をみると、少し大きめの皿にフォーク2つが乗せられていたやつを持っていた。

…ちゃっかりだね。雷。

雷は近くの棚から紙皿を取り出して、それぞれにケーキってやつを乗せる。

雷に初めてケーキってやつを貰ったときはビックリした。

こんなに美味しいのがあるだなんて知らなかった。

雷曰く、私は甘党らしい。

「いただきます!」

「いただきます…」

雷につられて手をあわせ、それからフォークを持って、ケーキを一口分、口に運ぶ。

口のなかにじんわりと甘さが広がり、自然の頬が緩んでいく。

この瞬間がたまらなく好き。

「ははっ、春輝、顔が緩んでるぞ」

「…おいし」

「そっか。食いたくなったらまた来いよ」

「ん」

ゆっくりと食べていると、雷はもう食べ終わったらしい。

そのまままた探し物を探し始める。

「何探してるの」

「あれ、えーと、そう!次の会議の書類!
明日使うのになくってさー」

…理事長が無くしてどうするの。

それに…

「それなら雷の部屋の机にあったよ」

「え、マジ!?」

…バカだ。