沈黙がざわついた。
どういうことだ、どうなってんだ、と声が上がる。
一国の王と姫が、民に頭を下げたこと。
そして、偽ルドリアが存在しないはずの第二王女を名乗ったことに。
「今回のこと、責はわたくしにあります」
エルマに代わってルドリアが言う。
「婚約のためシュタインへ移る日、わたくしは病に伏しておりました。しかし、この婚約は――それによる和平は両国の悲願。
わたくしの病のことが公になれば、民にはさぞ不安であろうと考え、シュタイン王子ラシェル殿下と相談した結果、エルマにしばらくわたくしのふりをしてもらうこととなりました」
――まずラシェルの名を出すことで、両国ともに責があることを暗に示す必要がある。〝第二王女エルマ〟についての説明は、それからだ。
「今までシュタインにいた〝ルドリア〟は、ここにいるエルマです。シュタインの民は、偽の王女を送り込まれたとさぞお怒りでしょう。
しかしエルマは、たしかにルドリアではありませんが、わたくしの双子の妹……歴としたこの国の王女です」



