「正直に申し上げますと、勝算は五分五分です。シュタインとルイーネ、両国民の情に左右される、危うい策です」



 エルマが言うと、ディネロとルドリアがますます難しい顔をする。



「ある程度の危険も伴います。それを承知の上で、お二人に協力していただきたい」



 真剣そのものの顔で言うが、策について詳しく話そうとはしないエルマに、ディネロは眉をひそめた。



 策について話す前に言質を取ろうとするということは、策を話せばディネロやルドリアが協力を惜しむ可能性があることを念頭に置いているということだ。

つまりは、それだけ不安定な策だということだ。



 ディネロが答えられずにいると。


「わたくしは……協力します。どんな危険があるとしても」



 ルドリアはまっすぐにエルマを見つめて言った。