これまでずっと黙っていたラグが急に話しだしたのを、ディネロは驚いたような顔でただ黙って聞いていた。



「信じろ、というのであれば、それくらいの誠意は見せてくれますよね?」



 ラグにしては珍しく挑発的な物言いをする。

驚くエルマに、一足先に驚きから立ち直ったディネロが追い打ちをかける。



「妹よ、……この者は、おまえの恋人か何かか?」


「こっ……!?」



 その問いに、エルマは奇妙な声を上げ、そのはずみで咽せて咳き込んだ。

その顔がみるみるうちに赤くなっていく。



ラグが慌ててエルマの背中をさするが、そんなラグも微妙に顔が赤い。



 しばらくして落ち着いたエルマは、ちらりとラグの顔を見上げると。



「……まあ、わたしは……そんなところだと、思ってます……」



 と、なぜかむくれたような顔をして、低く小さな声で言った。