エルマはちらりと隣に立つラグを見上げた。
その視線を見返し、ラグは微笑む。エルマの好きにすればいいよ、と言うように。
エルマの腹は決まった。
「わかりました。ぜひ」
低く言ったエルマに、ディネロは「そうか」と、どこか安心したように小さく笑った。
「あっちに馬車を待たせてある。……あ、だがおまえたちは馬を連れているのか。どうしたものかな……」
「わたしたちは馬で追いかけましょう」
「いや、それはまずいんだ」
エルマの提案をきっぱりと断ったディネロに、エルマは「なぜ?」と首を傾げた。
その目にはっきりと不審の色が浮かんでいるのを見て、ディネロは慌てたように「いや、違うんだ」と弁明する。
「別に、逃げないように、とか、監視しようとか、そういう訳ではないんだ。ただ、おまえを隠さなくてはならないんだ」



