頷いた男を、エルマはまじまじと見つめた。
ラシェルから事前に聞いた話では、ルイーネ王ディネロは黒い髪に、エルマと同じ紅い瞳をもつという。
目の前の男は、まさにその話と同じだった。
「……妹、といったか」
エルマは小さく言う。
「……じゃあ、やはり双子だったのか。――わたしと、ルドリア姫は」
驚きはしなかった。予想はできていたから。
信じられないことではあるが、なぜか妙に納得してしまっている自分がいるのを、エルマはどこか他人事のように感じていた。
「とりあえず、離れましょうか」
唐突に、ずっと黙っていたラグが言って、エルマの腕を引く。
ディネロから引き剥がされ、エルマはすこし呼吸が楽になった気がした。
そうなってから、自分が緊張していたことに今更のように気付く。



