家庭内逆ハーレム!?〜後編〜





彼はあたしを庇って倒れた







目を閉じる直前に見えた彼の顔は、夢じゃなかった






そして試合は中断し、莉緒を宥めてあたしたちは保健室へ向かった






亜「大丈夫?ごめんね、あたしが余所見したから。」
岺「謝らないで?別にこれは事故だし、僕も莉緒の行動に気を取られてさ?」







やっぱり変だよね、明らかに







さっきも注意されてたし、ぼーっとして上の空で







岺「ま、いずれ解決するでしょ。それより太田さんは怪我ない?」
亜「亜衣李。」
岺「え?」
亜「あたしの名前。亜衣李って呼んで。」






と、少し目を逸らしながら言ってみた








岺「亜衣李、怪我はない?何処も痛くない?捻たりしてない?」






そう彼は言ったのだった







名前を呼ばれた







ただそれだけのことなのに







亜「ありがとうっ.......助けてくれて。名前を呼んでくれて。」
岺「それくらい当たり前でしょ?ほら、泣かないの。」