恐怖が全身に広がり必死に抵抗しようとしても、翔はそれを許してくれない。 「莉乃は俺のものだ。俺だけのものだ。市川や三浦にとられるくらいなら、殺してやる!!!」 叫び声にも似たその声に全身の筋肉が固まってしまったかのように動かない。 突然訪れた更なる恐怖に涙が溢れる。 「やめて……お願い……やめて……!」 体を揺すられたことでめまいがしてきた。 遠のきそうになる意識の中で、ぼんやりと翔の顔が浮かび上がる。