あの女の事を一応説明しておくか。…無駄だと思うがな。 『一つ言っとくがお前は勘違いしている。あの女は俺たちが来たときには死んでいた』 『嘘をつくな!なら誰に殺された!?』 腕をブンブンと振りかざして向かって来る。 『ハァ…初対面の女が誰に殺されたとか知るわけないだろ。女をちゃんと見たか?果物ナイフで首を切っていただろ。あの切り方や切り口は他人のものじゃ出来ない。つまり、自分で切ったんだ』 俺の説明を聞くと、少しだけ振りかざす力が落ちた。その顔は困惑している。