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暫くして、男はミュラの手により捕まった。首筋に刃を当て、動きを止める。男はまだなにかうめき声をあげながら俺を睨んでくる。
『うぅぅ…よくも、よくも彼女を……!!』
『彼女…お前は夫か何かか?』
俺が聞くと、男は更に怒りのメーターをあげた。
『彼女は俺の大切な人だ!なのに、なのにお前らが殺した!この人殺し!彼女を…彼女を返せっ!!』
『あら、カイトの言ってた通りじゃない』
『そうだな』
ミュラはお見事ね、といってニコリと微笑んだ。
そんな呑気な会話をしていたら、男が叫びだした。
『舐めやがって…!俺が彼女の仇を伐ってやる…!!』
『いたっ』
男の腕を掴んでいたミュラの手に、爪を立てた。ミュラは痛さに顔をしかめ、力を反動で弱めてしまった。そのすきに男はミュラの手を振り払い俺に襲い掛かってきた。
『まずはお前からだっ…!!』
『ちゃんと取り押さえてろよ』
『後で覚えてなさいよ』
後ろに下がりながら、男と距離をとっていく。


