カイトside



バシュッ


「ぅぐあ!!」


血飛沫が辺りを染める。<鎌>の刃を少し振り、血を払う。


「…さっきから何なの?」


ミュラは額に汗をにじませながら、手をパタパタと煽って風を送る。


「解らない。こいつ…連合では無さそうだな」


「そうみたいね。<鎌>を持ってないし、何よりリストを手にしてないわ」


この時間帯に人間界にいるのは、仕事で<魂>を刈り集めている死神たちだけだ。


ミュラは、俺達に襲いかかってきた男を足で軽くつつき、何もないことを確認すると、側に膝をついた。