ビュンッ――
屋根から屋根に飛びうつり、窓ガラスを割って中へ入る。俺等死神は、生きている人間にはあまり見えない。…というより、見えなくしているんだが。
「ここね」
足でドアを蹴り破る。ドアはおもいのほか飛んでいき、部屋の窓に当たって終わった。ガラスも…。
ミュラはつかつかとじいさんのもとへいき、話しかける。
「おじいさん、まだ生きてる?」
じいさんは重たい瞼を開け、ミュラを見る。
「おお……ついにお迎えがきたか」
「もうすぐ死んじゃうわ」
もうすぐ死ぬじいさんぐらい労れ。
「覚悟はとうの昔に出来てるわ…。やっとばあさんの元へ逝けるんじゃな……」
「……そうね。待ってると思うわ」
じいさんはニコリと微笑むと、瞼を閉じた。…そしてそのまま時を止めた。
ミュラはじいさんの脈をはかり、死んだことを確認すると、<鎌>を心臓がある場所に降り下ろした。


