メープルシロップの後ろに四角い缶。それを持ってタクトに渡した。 「…ミカミ、どこに居るのか知ってるの? 今日午前中に退院したって」 「ああ、何個かある内の隠れ家に。お前に黙って退院したのも聞いた」 「どうして、」 口を噤む。 ここから先を口に出して良いのかどうか。 その権利があるのか、どうか。 「ミカミは昔からああなんだよ、って言ったっけ?」 タクトが缶を受け取って、冷蔵庫に寄りかかる。 その姿がミカミと重なって自分が少しイタい。 聞いた、と答えた。