ごめん、だけでは足りないな。 それは分かっている。 「母さんと父さん、迎えにきてくれたよ」 笑顔。あれ、こんな笑ってるの初めて見たかもしれない。 あたしも自然に笑い返す。 「良かった。良かったね」 「姉ちゃんのおかげ」 「日頃の行いの良さだろ。ちゃんと一緒に住みたいって伝えた?」 うん、と大きく頷く。 風がピアスのしていない空洞を通り抜ける。 小学生が口を開いた。 「引っ越すことになったよ。この街、出てくんだ」 ふいに泣きそうに歪んだ顔。