反応する気はない.
「ねぇねぇ加奈ちゃん!!
いつ実家に帰るか決めたの?」
机にだらんとする私に、新山さんが机の前に来て声をかける.
「夏休みの始めの1週間が過ぎたら」
私はウソ偽りも無く答えた.
この人の魂胆はわかってる.
どうせ私の家に来る、とでも言うんでしょ.
「じゃあさ!
来週の水曜日に遊びに行こう!!」
「どこに?」
まさかの遊びの誘いだった.
私の家へ来るのはどうなったんだ・・・.
「カラオケにでも!!
あと京子も誘ってるんだけど!」
朝壬さんも来るんだ・・・
行きたいとは思わない.
「私はいいや」
「え~なんで?!
行こうよ!!
夏休み、誰かと遊ぶ約束してるの?」
話を進めるテンポが早い.
さすが、慣れている人は違うね.


