やっとの思いで教室に着いた.
担任の先生が入ってくる.
この人も長々と話し続けるんだなぁと思うと、ため息をつきたくなる.
HRを始める気配のない先生を見て、私は帰りの用意を始めた.
「え~.帰りのHRを始める前に、荷物の整理をして下さい.
長期休暇になると、家で勉強すると思います.
ですので教科書類は全て持って帰って下さい.
前々から言っていたことですので、コツコツ持って帰っていた人は荷物が軽いでしょう.
それに比べて、全然荷物を持って帰ってない者が見受けられるが・・・
まぁ1学期最後の登校日!
苦労しておくれ」
なんと!!HRを始める前に帰りの用意をするとは・・・
全く帰りの準備をしてない人もいるのに・・・
その人を待たないといけない羽目になるとは.
私はさっきよりも深いため息をついた.
「っよいっしょ!!」 ガタン!!
隣から力を入れる声が聞こえたかと思うと、次に大きな音が聞こえた.
一瞬ビックリしたものの、私は自分のことに目を戻した.
・・・とはいっても、もう準備は終わったけど.
「いいなぁ~おまえは.
荷物かるそーで」
嫌味のこもった言葉が、左隣の席の宇川れおとの口から聞こえた.


