好きのおもさ


思わず笑いをこぼしている宇川くん.


「普通だったらそうだろうね.

私だって・・・みんなみたいに普通に明るく居られたかもしれない.


普通に友達と笑い合ったり、遊んだり、楽しいこともしたり・・・.


でももう私はそんなことしたらいけないんだ」


友広くんを・・・


「べつにいいじゃねぇか.

前に何かあったのかもしれないけど.


過去に起きたことをどう悔やんでも、変えることはできねぇんだ.


いつまでもくよくよしたってしょうがねぇぞ!

今だけのことを考えていこう!」


過去にあったことを、無かったことにするなんて出来ない.


それなのに今だけを考えるなんて、私はやってはいけない.


「もう何も言わないで!


世の中にはしょうがないの一言で片づけられないことがあるの!

私は許されないことをしたんだから.


それなのに、それを忘れて今を思う存分楽しむなんて...


そんな御法度出来るか!!


私を無理に変えさせないでよ!お願いだから」



何度こうやって相手に意味のわからないことを言ったか・・・


自分でも嫌になる.こんな事言いたくない.


余計に友広くんのことを考えたくない.



私は宇川くんから立ち去った.