こっちの事情なんてお構いなしで発言して.
「最悪だ・・・」
私はため息混じりに言葉を発した.
「加奈ちゃん、本当に気にしないで.
れおと、本気で加奈ちゃんにそう言ってるんじゃないから」
と新山さんは言ってくれた.
こんな事本気でも、冗談のように言われたとしてもどっちでも変わらないさ.
あんたと関わりたくない
と言えたらどれだけ嬉しいか.
「加奈ちゃん?」
朝壬さんが私の顔色を窺う.
そして少しの沈黙を破るかのように、担任が入ってきた.
「おはようございまーす.
みんな、席に着け」
朝の時間の終わりを告げる瞬間だった.
今学期は一度も席替えをしなかった.
地獄のような生活だったが、夏休みが終われば席替えはされる.
ようやく少しは自由になれるんだ.
席が遠くなれば彼も話しかけてこないだろうし.
楽しみだな. 席替え.