「オー、わかった」
宇川くんの了承に、私はビックリした.
でもこれは好都合だ.
「帰りたくない」
まだ自分の思いを貫こうとしている三希.
諦めればいいのに.
「でもいつまでもここにいたら、三希のお母さん心配するよ?
早く帰んないと」
宇川くんが説得している.
さっきも思っていたが、この光景は新鮮である.
「仕方ないよね・・・
ママが待ってるから」
「よし!帰ろう!!」
「じゃあな~」
「ばいばい~」
挨拶をしている2人に、私は玄関でぶっきらぼうに手を振った.
帰るとなれば、サッサと追い出す.
これで嵐が去ったような気がする.
やっと自分の世界に入れる.
私はリビングに行った.
『あ~!!図書館にいたお姉ちゃんだ!!』
甦ってくる記憶.


