好きのおもさ


アルバムを取り返した私は、すぐさまゴミ箱送りにした.


「やめろって!!」


その行為を遮ろうとして、宇川くんは私を突き飛ばす.


予想もしなかった展開に、私はバランスを崩しその場を倒れてしまう.



「今は要らないかもしれないけど、これまでずっと持ってたんだろ?


だから取っておかないと.


それにいつか、将来絶対大切に思える時が来るから」


宇川くんはゴミ箱に入ったアルバムを全て取り出している.


丁寧に積みかせながら.



「あんたに何の権限があって、そんなこと言えるの?するの?!


宇川くんに私を説教する権利はない!」


私はそのきれいにされているアルバムを取り返し、またゴミ箱に入れようとした.



「過去から逃げようとすんなよ!!」



初めて宇川くんが怒気を漏らす.



「何も知らないくせに、そんなこと言うな!


私しか知らないんだから...」



「・・・俺がその過去を聞いてやる!


そして立山の闇を晴らしてやる!」


「綺麗事言わないでよ!!


どうせ最初は好奇心のつもりか何かで、そんなこと言うけど・・・


結局全て聞いたら、私を避けるんだから!!」