好きのおもさ


「なぁなぁ、立山.

これ何歳の時?」


宇川くんが見ていた物を私に見せ、笑顔で私に訊いてくる.


彼が持っていた物は、昔のアルバム.


「13歳くらいの時」


「ふ~ん.

おまえ、中学生の時は明るかったんだ.


めっちゃ笑顔で写ってる写真多いし、格好もキメてピースしてさ.



こっちの方が可愛いのに、どうして今はこんな・・・」



宇川くんがあれこれ言っている時に、私は急ぎ足になって彼に接近した.



そしてアルバムを取り返した.


「こんな物、私には必要ない!!」


私は勢いよく吐きつけ、アルバムをゴミ箱に捨てた.


全てを捨てようと、次を掴んだ.


「やめろよ!!

おまえの大切な思い出なんだから!!


それにおまえが元気な時の写真がたくさんある!


捨てたら意味ないよ!」


宇川くんは力ずくでも私が持っているアルバムを捨てないようにしている.



「うるさい!!


こんな物、私には必要ないんだ!!


こんなのがあるから、私はいつまでも過去に囚われるんだ!!」