もう、嫌だよ...
あの事件の発端を味わいたくないよ.
「疲れただろうけど、このお兄さんと一緒に帰りなよ」
「嫌だ!
ここで寝たい!!」
子どもって本当に頑固.
三希は一向に引く様子を見せない.
「じゃあこのお兄さんにおんぶしてもらって、背中で寝ればいいじゃん」
そう言った時私は一瞬宇川くんを指さした.
「おいおい」
なんだか嫌がっている様子を見せている彼.
「え~!ヤダ!
寝たい!!」
「な?
こんなにねだってんだから、聞いてやりなよ」
「聞いてやりなよ」
宇川くんの交渉に、三希が再び真似する.
「ハァ・・・
じゃあ夕方までだよ?」
「うん!
ありがとう、お姉ちゃん」
「じゃあこっちに来て」
私は自分の部屋に案内した.


