好きのおもさ


「一旦荷物はここに置いて.

それから、はい.


明日は休みっだけど、風邪引かれたら困る」


彼に床を指し、タオルを渡した.



「おまえさ・・・


立山、前に何があったんだよ?




説明してくれないのはもちろんのことだってわかるけどな...


どうしてそんなに人に親切にすることを、嫌がるんだ?


人間として最低限の行為だぞ.


まぁ、タオルはありがたいけど・・・」


と、タオルを受け取った彼は、濡れた部分を拭きながら言う.



私があの子に、いやみんなに親切にしないわけ・・・


いや、せめてもあの子を助けようとしないわけ・・・


もちろん過去の事件があったから.


あれさえなければ、絶対にみんなに優しくできていたと思う.


それにあの少女を助けるために、必死に善良な策を考えるだろう.



こんな事、絶対に言えるはずがない.



「言ったでしょ。


私は子どもが嫌いだって.


嫌いな人に優しくしないのは、みんな一緒でしょ?」