私は玄関でこれ以上の彼の入場を禁じた.
「おまえ、そんなこと言ってる場合か?」
「ちょっと待ってて.
ここで. 絶対動くなよ」
私は今彼と論争している場合ではないと思い、一旦中断した.
「おい!」
彼の怒鳴る声が聞こえる.
「靴脱いで、上がってね」
私は少女に指示した.
「うん!」
明るく返事をした彼女.
「大丈夫だから、ここにいて!」
私は理由は言わずに、真剣な眼差しを彼に向けた.
「こっちに来てね」
私は風呂場に案内した.
「いいの? ここ使っても」
少女は訊いてくる.
私は膝を曲げて説明した.
「いいよ.
その代わりシャワーだから、あんまり温かくならないと思うけどね.
少しでも体温を上げないといけないから」
「わかった!
ありがとう、お姉ちゃん」


