彼に止められたので、何かあるんだと思い私は一応彼の方を向いてやった.
「どうしたんだ? こんな所で」
彼が話しかけているのは、小学生の女の子.
きっと低学年だ.
その女の子はこの雨の中、突っ立っていた.
そして泣いていた.
「ほたっときなよ.
そんなこと関わっても、ろくなこと起きないよ」
私は冷たく言った.
「おまえ、よくそんなこと言えるな.
こんな小さな子がこんな所で1人でぽつんといて、その上泣いてるんだぞ?
いくらなんでも、おまえ最低だぞ」
なんて言われようが、私は女の子に優しい態度は見せない.
女の子は泣き続けている一方.
「ゴメンな.
どうしたんだ?」
「ここ・・・ ドコなの・・・?
おうちに帰りたいよ~」
少女は事情を話すと、もっと泣き出す.
「おい、立山!」
力強く名前を呼ばれる。
少女を助ける気が無い私だが、この場にいる.
「何?」


