かわいいクマのマスコットが、Friendと書かれた板を抱えている。
それを白川さんは、フックから取り外して眺めた。
「これ、誰にもらったの?
高校に入学する前の友達?」
すごく楽しそうに眺めている白川さんに、真実を告げることができない。
でも黙り込んでいる私を、おかしいと思い始めている。
「友広君… あの子が買ってくれたんだ」
そう言うと、白川さんの顔が急変した。
女の子らしく可愛がっていた表情が、今では般若みたいな顔をしている。
「あんたが持つ必要はない!!」
そう言って彼女は走り出した。
いつか私が宇川君にしたみたいに。
その後を中島くんが追っている。
どうやら今の状況に、宇川くんはついて行けてないみたいだ。
カバンをかけ直した私は、彼なぞ気にせず白川さんの後を追った。
だけど白川ん、意外と足が速いみたいだ。
追いつけず、姿を見失ってしまう。
あのキーホルダーは、見失ったらいけないものなんだ。
何の手がかりもなく、私は適当に道を選んで走った。


