まるでイジメをする主格のように、宇川くんは近くにいた人に今私が言ったことを広めようとした.
これくらい大丈夫なことだ.
これくらいは・・・
「ねぇ、立山さんて...
なんか言えない過去でもあるの?」
名札に「佐藤」と書かれている人が、私に質問した.
「あるよ.
でもそれは絶対に言いたくない過去」
「そっか. 辛かった?」
何も知らない人たちが私の所に群がり、興味津々に訊こうとしている.
「辛いなんてもんじゃないくらい、苦しかった.
死にたいくらい・・・」
「でも生きてんじゃん!
だからそこまで苦しかったってことじゃねぇじゃん」
呑気にこんな事を言う、宇川くん.
何も知らないからそんなこと言えるんだ.


