好きのおもさ


どうやら明日、祭りがあるみたいだ.


「行くわけないでしょ」


宇川くんの顔も見ずに、足を進めた.


「みんなおまえが来るの、楽しみにしてんだぞ」


「べつに.どう思われようが、私は行かないから」


「つまんない人だね!」


最後に弟が言った.


宇川くんの弟を見てると、昔の自分を思い出してしまう.


取り乱しそうになる.


口調は似てないが、体型が似ていて・・・


思い出したらダメだ! あの子を思いだしたらダメだ!


私は自分と闘う.



そして過去を振り払うように、急いで帰宅した.





晩ご飯を食べ終わると、椅子にゆっくりと腰を下ろした.


夏休みを迎えて、もう3週間も経った.


あと2週間で、夏休みが終わってしまう.


私は1週間前に実家の方に帰った.



そして今はこっちに.



実家は...やっぱり苦しかった.