「おし!!
せっかく久し振りに会ったんだから、今からどっか行こうか!」
なんて宇川くんは言うと、私が買い物袋を持っていた方の手を掴んだ.
「何考えてんの?
もう夜だよ.
それに暗いんだから.早く帰んないと」
「そっか.おまえ、暗い所嫌いだったもんな」
ばかにしたような感じで、宇川くんに言われた.
「暗い所嫌いなんだ~!
だっさいな!」
次いで、弟が言う.
この兄弟はマジでムカつく.
「うるさい!
余計に構ってくるな!」
私は弟の方に掴まれていた手をふりほどいて、その手で宇川くんの手を振りほどいた.
「夏なのにそんなにイライラすんなよー.
余計に暑くなるぞ~」
私は何も言わずに、帰ろうとした.
「あ!そうだ.
おまえ、明日の祭り行くのか?」
思い出したように宇川くんは、私に訊いてくる.


